仮想通貨の疑問に答える

実業家の田端信太郎氏は2023年3月、国内大手暗号資産(仮想通貨)取引所bitFlyerの創業者で日本ブロックチェーン協会(JBA)代表理事を務める加納裕三氏と対談した動画を自身のYouTubeチャンネルにて公開した。

田端氏が「仮想通貨の根本的な問題」などを加納氏にぶつけ、それに加納氏が答えている。

田端氏はLINE株式会社の上級執行役員や株式会社ZOZOの執行役員などを歴任。現在はビジネス系YouTuberやコンサルティング、マーケティングなどを手掛ける実業家として活動する。過去にはビットコイン(BTC)を保有していたことを明かしている。

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両者の対談のテーマは以下の通り。

    目次

  1. FTXと仮想通貨
  2. FTX事件
  3. 仮想通貨の根本的問題
  4. 事件が繰り返されるのは何故か
  5. 顧客保護と資産保全
  6. 安心できる会社を見抜くには
  7. 売る側の意図を考える

今回公開された動画は前編で「4.事件が繰り返されるのは何故か」までが収録されている。本記事では2人の対談での発言を書き起こした。後編は以下の記事をご覧ください。

【後編】bitFlyer創業者加納氏と田端氏が対談 投資の心得とビットコインの重要な事実とは

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1.FTXと仮想通貨

田端氏:最初に僕と仮想通貨の話をすると「VALU」という株式市場に個人が上場するような形で上場してそれをビットコインだけで取引するという今にして思ったら非常に先進的な早すぎたんじゃないかと思うくらい革新的な面白いサービスがあって、そこで僕の個人株のような意味でVALUというものを発行することができて、それで人間がIPOをするというような意味で僕はだいたい30ビットコインか40ビットコインくらい2017年にゲットしたんですね。

しかも本当に原価0だったと思います。その時は1ビットコイン5~10万円くらいだったんですけどそれでもざっくり300万円くらいかみたいな。まあ悪くないお金だなみたいな感じだったんですけどそれがあれよあれよとビットコインが当時も値上がりして途中で1ビットコイン30~40万くらいになったときにVALUからもらったビットコインをbitFlyerさんに送金させてもらってそこで普通に円に売ったと。

だいたい僕早漏でへたくそなんですけど投資。ピークでビットコインって600~700万くらいになったからそのまま持ってたらもしかしたらピークだけでいうと2億円くらいになってたかもしれないんですけど、非常に正直に言うと僕の個人的な思いでいうと苦々しくビットコインとか仮想通貨のフィーバーを見て思ってたみたいな心境があって。

12月1日時点で変動が激しいからあれなんですけどそういうところになったりもして。何が言いたいかっていうとそんなに僕も正直言うと熱心にやってたほうではなくてどっちかっていうとFTXみたいな事件が起きると「ざまぁ」「ほら言ったろ」みたいな。

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2.FTX事件

田端氏:そもそもFTXの件は加納さんから見て何がどう問題でしたか?

加納氏:まずFTXの事件というのは僕の中でリーマンショック級の大きな事件で、過去の仮想通貨界隈をずっと長く見てますけど一番大きな事件だったと思います。

FTXというアメリカもしくはバハマ籍の仮想通貨交換業者とAlameda Researchという投資会社が兄弟会社ですが、FTXの顧客お預かり資産をアラメダに貸し出しをして、アラメダ自身がFTXが発行したトークン「FTT」を買い支えた。そうすると元々あったドルはFTXにあったのがアラメダに移転しますと。

アラメダにあったドルはFTTを買い支えるときに売り手に渡しちゃってるわけですね。よって売った人がFTTを売ってドルを貰う。よって外の世界にドルが出ちゃいましたと。

田端氏:FTXは交換所・取引所ということは株でいうと東証みたいな?

加納氏:東証といわゆる証券会社が合体してるものを取引所というんです。bitFlyerみたいなものです。

田端氏:常識的に考えると、東証の野村證券が一緒になってるみたいなことでしょ。不健全な香りがしますみたいな。それで良いの?っていう。取引所自体が民営でやっているという認識なのか、証券会社と取引所が合体しているという認識なのか?

加納氏:民営の取引所がいわゆる顧客預かりをしながら取引をさせているという意味では合併しているというような感じですね。東証はいわゆるマッチングという板を提供してマッチングサービスをやっているんです。

田端氏:買いたい人と売りたい人をぶつけているだけ、と。

加納氏:そこの間に証券会社というのがあってその証券会社の裏側に個人の客がいるんですね。

田端氏:ここら辺原始的に考えると昔は株券ってあったじゃないですか。本当に紙の券としての株券があったじゃないですか。それを売りたい人はたぶん店頭でいうと町の大和証券でも野村證券でもそこに持ち込みますと。

そうするとそれを見てその株券が偽造じゃないかってことを見たうえで野村證券は「確かに田端さんは東京電力の株を1万株持ってますね」と。僕は売りたいんですと。家建てるんで売りたいんですと。その1万株を確かにこの人は持ってますと。売りたいと言ってますと。だから1万株を買いたい人いませんかと。

そこの店頭から東証に連絡がいってそこに東京電力1万株売りたい人がいる。逆に退職金入ってキャッシュ得たけど、銀行の金利じゃな、と。東京電力とか配当いいんだったら株を買おうかなと思ってる人が別にいますと。ここでぶつかって取引成立みたいな感じだけど本当にこいつは1万株持ってるのかとか、売った方は売ったけど例えば1株3000円だとして1万株3000万円。3000万円持っているのかという。

例えば道端ですれ違った時でも普通にもしかしたらできるかもしれないじゃん。理論的にはね。株券1万株持ってます。偶然加納さん会って電力株買いたかったんですよ。僕売りたかったんですよって。

加納氏:これ今でもやっていいんですよ。僕らみたいな未上場株は証券発行してもいいんですよ。上場株は電子化されてしまったのでできないんですけど、未上場株の株券を株券発行会社という風にしてしまえば株券発行できるので、bitFlyerの株券渡してお金くださいというのは今でも問題ないです。

田端氏:そうなんですけど急にここで俺ディフェンスに回ると、未公開株を紙で持ってくるやつなんてのは申し訳ないけど99.9%詐欺師だと思ったらいいと思っている。理論的にはあり得るというのは僕も理解はする。

加納氏:詐欺師って言ったらあれだけど、非常に一般的じゃないですけどもし株券持ってきて買ってくれと言われたらまず疑った方がよいと思います。

3.仮想通貨の根本的問題

田端氏:これは余談ですが、基本的にすごく思うのは仮想通貨とか暗号資産の一番根本的な問題は当たり前なんですけど目に見えないとこです。本当に相手がビットコイン持ってるのか持ってないのかわからない。

例えば会計監査だと必ず少なくとも銀行に行って銀行が残高証明を出したりするじゃないですか。例えば僕は株主です、ベンチャー投資します、決算の年度末に1000万円の現預金があります、という報告が来た時には普通まともな経済の世界だと監査法人の会計士がちゃんと銀行に見に行ったりとか、例えばここはファッション会社なので1000万円で100着作って売れてないけど100着ありますというと、会計士が倉庫に行ったりして本当に100着あるのか見たりするじゃないですか。

仮想通貨の場合は、本当にわかりやすくビットコインにしますけど持ってるという時の残高証明みたいな保有の証明というのはどうするんですか。

加納氏:さっきの前段の話と結びつけると、まさに僕がbitFlyerrを作って最初のアーキテクチャー設計するときに考えたところで、例えば東証みたいなモデル、東証単体でマッチングさせるモデルにすると何が起きるかというと、おっしゃる通り売り手がビットコインを持っていないリスクが発生するわけです。実はこれ東証ではOKなんです。

田端氏:空売りですか?

加納氏:空売りというか、チェックしてないんです。なんでかというと、東証というのは証券会社というプロの集まりでしかないから、例えば野村證券と大和証券が東証でマッチングしたときに、野村證券がどれだけ持ってるかというのは事前にチェックしてないんです。なぜならプロだからきっと持ってる分しか売らないだろうという性善説に成り立っているのと最悪なかったとしても実は決済が3日後なので3日後までに手当てできるんですよ。

田端氏:よそで買ってきたりする?

加納氏:よそで借りたり買ったり「バイイン」というシステムがあるんですけどいろいろとプロはなんとか手当てできるんです。それを失敗することを「フェイル」というんですけども。プロの世界でやってる限りはお互いの残高をチェックしなくていいと。

ただ僕bitFlyer個人でやりたいと思っていたのでやっぱりお互いの資産を最初にロックしておかないといけないわけです。じゃないとこれフェイルと言って「デリバリーフェイル」というんですけど、決済が上手くいかないとなので証券会社と取引所は必ず融合する必要があるというのがまず最初の発想です。

それで証券会社で顧客預かり資産を売り手買い手ともに預かってロックしたうえでマッチングシステムでマッチングさせてお互いに資産を交換する仕組みを作ります。

田端氏:たぶんまたここでついて来れなくなる人がいそうだから、僕風にまたすごい下世話な人間なので言い換えると、例えが適切かわからないですけど、金融市場は別に仮想通貨だけじゃなくてカジノみたいなところがあるじゃないですか。カジノに入るときにクレジットカードを預けてくれと、あるいは本当にあんた持ってるのお金という形でとりあえずお財布預かりますねと。

そうじゃないとカジノで負けが込んできたときに逃げるやつがいるかもしれないとか、そういうときにもちゃんと追いかけられるように最初に資産を確認するというのは実際に僕ニューヨークのジェントルマンズクラブで。急に下世話になってすみません。

入り口でクレカ預けろと言われたんです。なんだこの店って思ったんだけど普通だったらそこで帰ろうかと思ったんだけどこの店は伝統ある店だから「ぼったくりではないからそこは安心しろ」とある先輩から言われてた一言が頭の中に蘇ってきて。でも一応すごいニューヨークっぽいスペースだから言った方がいいよと言われてじゃあ行くかと思って。

さすがにその一言がなかったら絶対その場で帰ってたと思うんです。だって入り口でクレカ預けろって結構おかしいやろみたいな。逆に青天井で向こうに抜かれるリスクあるから。勝っても負けてもカジノかポーカーでするには買った時というのは自分が買った金額は負けた方が払うわけじゃないですか。その時に負けた方が負けた分をちゃんと払ってくれるかどうかを担保してないような賭場というかカジノだと勝つ方も安心して勝てないですよね。

加納氏:海外のカジノとして基本的に最初にチップを買うわけですよ。この範囲でしか遊べないという意味だと思うんですよね。これをツケにしてしまうとまさに無限に損が発生したときに払えなくなっちゃって、必ずカジノを運営している会社というのは事前にお金を払わせる。

なので重要なのは運営側はですね、こういった決済を確実にするには両側から先に資産をお預かりする必要があります。というのがまずビジネスモデルで必要なので、東証のようなマッチングだけでなく証券会社のような顧客預かりをするシステムが必要だと思ってこれをくっつけました。

後段のご質問でどうやって本当に持ってるのを証明するかって言ったら、日本だと監査法人があって監査法人がちゃんと残高をチェックしてもってることを証明してそれを皆さんにお示しするってことを日本の取引所はやってるんですね。なので我々も決算書をちゃんと公開してそれが監査法人が監査済みであるということを世の中に示している。

田端氏:加納先生、本当に恥を忍んでなんだけど、根源的にずっと思ってた疑問を聞いてもいいですか?ハードウォレット、コールドウォレットといってビットコインとかは極論、USBメモリの中に入れたりとか極論QRコードみたいな形で紙に印刷したりとかもできる、というのは合ってます?

加納氏:はい。

田端氏:USBメモリの中に例えば、今だったら10ビットコインあったとしてこれで本当は2~3千万あるはずなんだけどと言われたときに、そのUSBメモリの中に本当に10ビットコイン入ってるかどうかっていうのはどうやって確かめるんですか?

加納氏:これは監査法人の手法によるのであまり詳細はお答えできないですが、例えばあなたが持ってると主張してるアドレスが何百万かあるわけですよね。この中の一つを取り出して任意のものを動かしてくださいと。こういう風に動かせるのであればあなたが所有してるというのが証明できる。指示に従うことができるというのが所有の証明。

田端氏:それは納得感はあったんですけど、実務的に考えると移すという瞬間にネットに接続しなければ移せない。だからその瞬間やっぱりコールドウォレットって言ってるのは仮想通貨の業界でいうとハッキングされないためにイメージでいうと家の金庫の中に金の延棒を入れていて、そこにインターネットが遮断された世界を作るわけだが、逆にそれはそれで取られないかもしれないけど他人から見たときに持ってることを証明することが非常に難しくなるよなっていつも思ってたんですよ。

加納氏:その金庫の例でいうと、金庫の中に本当に金が入ってるかわからないってことを言ってるので、一旦金を出してお見せして金庫にしまうっていう作業が必要で、出した瞬間にリスクがあるというのはそうかもしれないけど、必ずしもネットに繋いだからすぐ取られるわけじゃないし全部出すわけではないので結局コールドウォレットにたくさん入ってますけど、一部を取り出すことでこの中にたくさん入ってることというのは外から見てわかるんですね。

田端氏:ちょっとは納得感があって0ではないことは証明できるけど、本当に1000ビットコイン持ってるんだったら1000ビットコイン移して、一瞬移してまた戻すからさというくらいしないと、逆に今度こっちにいる人間が監査法人の会計士のふりをした詐欺師にって安易に使っちゃいけないんだけど悪い人だった場合、次こっちいった瞬間に戻ってこなくなったら怖いよなとか。

加納氏:それは絶対起きないですね。監査法人の人間であるかどうかというのはもう事前に証明されているわけです。

田端氏:ちゃんとした企業のあるレベルの会計士だったらそうかもしれないけすけど、いまだに思うんですけどコールドウォレットの中に10ビットコイン入ってるから1000万円で買わないみたいな世界というのを想定したらやっぱり。

加納氏:そういうのはあるけど、監査法人であることを嘘つくというのはなかなかないケースで監査法人ですという詐欺ってなかなかないと思うんです。よくわからない監査法人で名刺を出して契約をするっていうケースしかないと思う。

田端氏:だからあれですよね。会計士ってちゃんと公認会計士の登録のリストありますよね。

加納氏:大手しか付き合ったことないのでさすがにそこ疑うことはできないですけど。

田端氏:いやいや俺ね、結構食い詰めた会計士とかでね、そういう悪いことの片棒担ぐやつとかも出かねない。というのは、実態としても僕も同意するんですけど、今日はどうやったら騙されないのかということをかなり意地悪くすみません極論で行くと。

加納氏:それでいくと監査法人なので会計士ではダメなんですね。監査法人というのは登記事項ですからちゃんと登記をして会社と調べて契約をしてという手続きを踏みますので、これも踏まえて全部詐欺だったというのはなかなか難しい。

田端氏:それの理解でいうと、エンロンの時にアーサー・アンダーセンか。という4大監査法人が倒産したと思うんだけど、というのはあれは僕の理解でいうと、今の仮想通貨風に言うと、ここに例えば何ビットコインありますっていう監査報告をクライアントに出してそれに対してパートナーはサインするわけですよね。

もし本当になかったときには、プロのはずのお前の落ち度で本当にあるべきものを見落として損したじゃないかと訴えられて無限責任に。監査法人って僕無限責任という理解ですけどあってます?

加納氏:無限責任有限責任の両方あります。

田端氏:めちゃくちゃとんでもない賠償額・賠償責任を負うんすよ。会社が飛んじゃったんですよねエンロン事件で。今回面白いのがFTXの件がエンロン型なのかリーマン型なのかってあってFTXの今清算CEOみたいになったのはリーマンの後片づけやった人らしいんですよね。

だから俺はそれはそれであ、そうかアメリカっておもしろいなこういうなにかパーティの後始末みたいなことやるプロがいるんだって形なんだけど。なるほど、だんだんいろいろわかってきました。

4.事件が繰り返されるのは何故か

田端氏:なんか僕思うんですけどもう一つ違う角度です。マウントゴックスというのがまず10年くらいなって、ここが僕のオフィスとか渋谷のなんてことないビルなんですけど雑居ビルみたいな。そこの前に客がなんか何十人か集まって取り付け騒ぎみたいになってましたよね一瞬。それが2012年とかだったかな。

加納氏:2014年の10月くらいでしょ。

田端氏:ちょっとしていわゆるコインチェック、あの出川さんがCMやってた。

加納氏:2018年6月26日ですね。

田端氏:2022年のFTXと、なんか3~4年毎にこういう事件が繰り返されているような気がして。3年たったら新しい投資家がやってきてみんなのど元過ぎれば熱さ忘れるというか有耶無耶になってたとこある。

もちろんそういうことがないようにってことで加納さんがやられていることは僕知ってるんですけども、なんでいつもこういうことが特に仮想通貨・暗号資産多い気がするんですけど、どうして繰り返されちゃうんですかね。

加納氏:なぜ周期的かといっても、それぞれやっぱり現象が違っていてマウントゴックスの時の事件を受けて私自身は業界で自主規制団体を作りたいということで今のブロックチェーン協会というものを作りました。その後色々あって今JVCEAというのが自主規制団体になってきましたと。コインチェック事件を受けて法律がまた改正されて顧客保護が強化されましたと。

FTXはアメリカですから日本の顧客保護のような法律が未整備だったんですね。なのでここから整備されると思うんですけども、それぞれやはり似たようなことは繰り返されているけどもなかなか顧客保護の整備が進んでいなかったように見えますと。

僕は仮想通貨だけじゃなくて金融業界も同じようなことを僕は繰り返しているように見えますし、リーマンショックを受けていろんな規制がありまして厳しくなっているので金融業界も周期的にですねいろんな問題を古の時代からいろんな不正がありましたから。

田端氏:新しい業界だから立ち上がり段階だからいろいろ問題が噴出してるけど、もちろん何百年という歴史になったら常に金融・投資詐欺というのはいろんな意味があったし詐欺だけじゃなくいろんな問題。例えば山一証券が倒産、自主廃業か、正確に言うと。僕らたぶん就活生くらいの時、97年か98年くらいかな。銀行がつぶれることもありますし。

なんとなく僕の印象なんですけど似た話としては普通の外為のFXもあるじゃないですか。あれはあれでいろいろもちろん個別に問題がレバレッジが何百倍とかありえないとかそういうところあるんですけど。FXに比べてなんか多いよなとやっぱり思っちゃうところが素朴な感情としてはあるんですけど、どう思われますか?

加納氏:まあ目立ちますよね、金額は大きいし。どっちが多いかというのはそれなりに金融業界もいろいろあるので何とも言えないですけども。新しい技術なので目立ってはいると。ただ僕から見ると金融業界の過ちをまた同じように繰り返しているように見えるので未然に防げなかったのかなという風には思います。

田端氏:加納さんは正統派でやられようということは僕もよく知ってるつもりなんですけども、まさしく業界団体とか作られてるのもそういう想いだと思うしあれなんですけども、さっきのでいえば例えば日本証券業協会とかあるじゃないですか。日本証券業協会に入ってることと、東証に対して注文を取り付けることはほぼニアリーイコール?

加納氏:そうですね。基本的には証券会社に入ってフロント業務をたくさんある人というのは証券業協会一種と二種。二種が現物で一種がデリバティブなんですけど、これ取ることが求められていますと。これがないとお客さんに対して勧誘できない。

田端氏:いろんな意味で例えば不動産取引の場合、宅建業の免許があって皆さんたぶん家買ったり借りたりするときも、一応最後重要説明事項書というのがあって儀式っぽくてだるいんだけど、ちゃんと宅建免許持ってますと見せられたうえでそれやったりして、それを最近それ対面の必要がるのかとかビデオ会議でもいいんじゃないかとか色々あるんだけど、そういうある種のライセンスというのもあるじゃないですか、お上公認の。

それはただの金貸しでも貸金業登録があるような意味でベーシックな理解であれなんですけど、仮想通貨の業界はそういう意味でのライセンスあるいは登録ということ自体はもうあるんでしたっけ?

加納氏:これ2つあって仮想通貨交換業という会社に対しては登録業者というのがあってこれが30社くらい登録されています。これがないと営業できません。これ営業何かというと、日本に住んでる人、日本の居住者というんですけど、日本に住んでる人であれば外国人も含みます。日本に対して交換業サービスをするにはこのライセンスが必要。これは海外に本社があろうが海外に何があろうが関係なく、外からやろうが中からやろうが日本居住者に対してサービス提供するにはですね。

田端氏:物理的な日本居住者ってことですね。例えばシンガポールにいる日本人はまた別の関係であるということですね。これが本当にややこしくなってくるんですけど。

今のその30社のライセンスというのはたぶんもうめちゃくちゃ大事で、割とベーシックなところからみんな確認した方がいいと思っていて、いわゆるこういうことでライセンスがない、皆さん偽医者で医者の免許持ってますと言って適当な看板出して医師国家試験受かってないやつが人間手術とかしてたりしたらもうあり得ないと思うじゃないですか。

でも割とそのレベルくらいのあり得ないことがちょいちょい起こったりするのがこの世界で、勝手な僕の偏見かもしれないですけど、仮想通貨の業界なんてのは本当つい数年前まではほとんどそれに近いことが割と別にもうライセンスがそもそもなかったりするとライセンスなんて関係ないですよ、手術の腕上手ければいいじゃないですけど、ブラックジャックみたいなやつがいて。

それでもまあいいかみたいな儲けさせてくれるならいいかみたな世界だったような気がするけどやっぱり30社がまずあると。自分が取引所使うんだとしたらその30社なのかどうかみたいなところは当たり前のようにチェックしないとやばいですよね。

加納氏:そういう登録を持っているかというのが最低要件だと思う。登録を持っているから完全に大丈夫かというとまたなかなか言えないんですけど。

田端氏:持ってないやつは論外のアウトってこと?

加納氏:持ってないのは論外です。

田端氏:このレベルのを一個一個やっていったほうがいいと思うんですよ。グレーと真っ黒を区別してだんだんとやっぱもちろん何があったって必ずもうかるってことはないし、例えば加納さんとかもおっしゃっていて、さっき言ったような顧客保護とか顧客の資産保全とかというじゃないですか。この言葉の使い方でこれ金融のプロだよなと思っていて、僕はこのニュアンスでわかるんですけど、一般人からしたら顧客保護とかいうけどさみたいな。

なんか野村證券で変な投信買ったら半年で半分なったんだけど、俺の金どうなっとんねん、顧客の資産保護されてないやんけってというと思っている人もいっぱいいるじゃないですか。野村が悪いというわけじゃなくて一般論としてそういうことが起こりえるんだけど、それで単に損したよという話と不適切に顧客の資産を流用したり流出したりしてるのって話の区別がみなさんに今日つけられるようになってほしい。

今日僕が一番思っていることで、加納さんが言ってる適切な顧客の資産保護保全と不適切になんだけど結果的にただ損しちゃったけどそれ悪く言うとプロからするとそれあなたの自己責任でしょうがというゾーンの区別をどうやって向かってくことが一番大事なんですね。

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参考:田端氏のYouTube動画

coindog編集長
仮想通貨ブロガー/投資家
早稲田大学卒|元業界関係者で現coindog編集長🐶|2020年から仮想通貨投資を開始|大手メディア3社で編集者・キュレーターとして従事→独立|趣味は投資・筋トレ・音楽鑑賞・ラップバトル観戦・コーヒー屋さん巡り

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